関西医科大学精神神経科 -診療内容-
病院改修に伴い、98年に外来部門が、精神神経科、脳神経外科、心療内科、神経内科で構成されるBrain Medical Centerに組み入れられて以降、外来患者数は急増し、1日平均で、受診患者数は200人、初診患者数は月に150人に達しています。このため、認知症を中心とする老年期、児童青年期、うつ病、てんかん、性同一性障害などを対象とした外来の他、ジストニア患者に鍼治療を行なう鍼外来などの特殊外来を設けて対応しております。
ことに最近の大学精神科外来は患者の質が大きく変化しました。
精神科クリニックの増加、現代社会の種々の問題点の噴出{過剰な情報、透明性の高すぎる社会、豊かさゆえの活動性の低下(NEETの増加)や若者の未熟化など}、精神科に対する偏見の軽減などが関係していると思われますが、人格障害圏、難治性の患者が急増しています。
一方本来家庭で解決すべき問題なども持ち込まれるようになり、目が回るような忙しい科になってしまいました。心理検査や心理面接などを駆使しなくては治療が出来ない状態です。本当に人手と時間がかかりますが、医療収入が少ないのが大きな問題です。もっと多くのスタッフが必要なのですが収入が他科に比べ少なく、思うように増員してくれないのが悩みの種です。
一方、大規模デイケア、作業療法などの精神科リハビリテーションを積極的に取り入れ、精神医療総合センターを併設しているのも本学の大きな特徴です。
一般外来
関西医大附滝井属病院のホームページにある診療日程表を参照ください。
>>>関西医科大学附属滝井病院 外来日程表
どのように私は、不安を軽減しない
特殊外来
各専門に応じて、特殊外来を設けています。
ほとんどが午後からの診察で予約制となっています。
初診後、診察医が予約します。 物忘れ外来、青年期外来、うつ病外来があります。
詳しくは各担当医にお尋ねください。 *第2第4土曜日は休診です 。
入院
病棟は附属滝井病院の北館6階にあります。
平成24年1月より閉鎖病棟のみとなります。
概ね満床となっておりますので、
外来受診されまして入院予約をしていただくことが必要となります。
精神医療総合センター
精神科デイケア部門、心理臨床部門、精神科作業療法部門の三つの部門で精神医療総合センターを構成しています。
デイケアの運営が開始されたのは平成11年11月です。当初小規模デイケアとしてスタートしましたが、平成13年度から大規模デイケアに拡大し、50人まで参加が可能となっています。また、平成14年4月からは作業療法部門がセンター内に併設され、患者の多用なニーズに合わせての利用が可能となりました。
デイケア
デイケアのスタッフは医師1名、看護師1名、作業療法士1名、精神保健福祉士1名が参加し、時に臨床心理士が必要に応じて参加しています。
現在のデイケア登録者数は約60人で、実質通所人数は曜日による偏りはあるものの、約25人前後です。
通所者の年齢は比較的若く20歳代から30歳代が中心です。
デイケア利用者の疾患としてはやはり統合失調症が最も多く、約8割を占めています。
摂食障害のためのサービスをサポート
当院のデイケアの特徴としては大学病院の特性が現れていると思われますが、年齢の若い方が中心であり、疾患も多彩である点、作業療法部門との連携により、入院時から外来まで幅広くフォローが出来る点だと考えています。そのため生活維持型ではなく、訓練型の施設として位置付け、地域の他施設と密な連携を取り、それぞれの患者に最も適したリハビリテーション、社会復帰への道筋を提供しています。
作業療法
精神科作業療法のスタッフは作業療法士1名、アシスタント1名です。対象者は精神科病棟入院中の方、および外来通院中の方です。参加者の年齢層は幅広く10代後半から80代で、30代〜40代の方が比較的多いです。
入院の作業療法では、必要に応じて個別対策も行っています。個人個人の目的に合わせた作業活動やプログラムを利用して頂くことで、退院後の生活へのスムーズな移行を目指しています。また、外来作業療法は、週1日から参加可能であり、個人のペースに合わせて参加頻度とプログラムを決めています。一歩前に進みたいけど、どうして良いかわからないという方々と共に考え、作業をし、次のステップへ踏み出す勇気と力を養える場所を目指しています。
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心理療法(自費カウンセリング)
附属滝井病院精神医療総合センターおよび附属枚方病院精神神経科では、自費診療による心理療法(カウンセリング)を実施しています。外来診察で心理療法をご希望される患者様、および心理療法が必要と考えられる患者様には、心理検査等を受けていただきます。心理検査結果と患者様のご希望を考慮し、主治医と相談の上、心理療法導入の可否を判断させていただきます。ご希望に添えない場合もありますので、ご了承下さい。
対象の患者様には、原則週1回45分の10回セッションを1クールとして、カウンセリングを提供しています。カウンセリングは診療扱いとなり完全予約制で、臨床心理士が担当致します。
<料金>
- 滝井病院精神医療総合センター
- 1回45分 6300円(予約金4200円、面接料2100円)
- 枚方病院精神神経科
- 1回45分 6000円(予約金4000円、面接料2000円)
※当日のキャンセルまたは連絡なくキャンセルされた場合には、予約金4200円を申し受けますのでご了承下さい。
※自費カウンセリングは自費診療扱いとなるため、保険診療による診察と同日の受診はできません。
コンサルテーションリエゾン精神医学
コンサルテーション・リエゾン精神医学consultation-liaison psychiatryは、直訳すると「相談と連携」、具体的には「総合病院において精神科以外の領域で精神科医が行う診断・治療・教育・研究のすべての活動を含む臨床精神医学の一分野」であるとうたわれています。
他診療科において生じるさまざまな精神科的問題を解消するため、コンサルテーション・リエゾン外来では、院内の救命救急センターや各種外科系病棟をはじめとする全診療科への往診(回診)、あるいは来診可能な患者さんについては精神科外来での診察を常時行います。
対象となる症状は、せん妄(「ねぼけ」のような意識障害)・抑うつ・不安・不眠が代表的なものです。状況によっては、不穏を呈する患者さんもめずらしくはありません。
入院という特殊な環境(ICUはその典型)に対する反応、手術や自らの病状・将来への不安など、すべての患者さんは多かれ少なかれ心の問題を抱えていると言っても過言ではないでしょう。また、すでに精神科疾患を持っている(精神科診療を現在および過去に受けている)患者さんが他診療科に入院される場合、治療を受ける側はもちろん治療を提供する側にも不安が存在します。
このような問題を、他診療科主治医や看護を中心とするすべての医療スタッフ、患者さん本人、さらには患者さんの家族の方々といっしょに考えていきたいと思います。
治験センター
新薬の臨床治験にも取り組んでいます。
精神科治療の重要な部分を薬物療法が担っているものの、またまだまだ効果が不十分な現状を鑑み、画期的な新薬の登場を一日でもはやく臨床に提供するために治験には積極的に取り組んでいます。
大学の治験の約半数を精神科が実施しております。現在の治験には治験コーディネーターの関与が必須ですが、通常治験コーディネーターといえば、看護師、薬剤師が担当しておりますが、本学では心理士に治験コーディネーターの資格を取らせ担当させています。
精神科を受診する患者さんにとって、精神科治療の特殊性をより理解している心理士が治験の手助けをすることでより多くの患者さんの同意を得ることに成功しています。
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