インフルエンザは、地域によって時期は異なりますが、世界中で流行が見られます。一般的には、温帯地方では冬(南半球では7〜8月)に流行が見られます。熱帯・亜熱帯地方では国や地域によりさまざまで、年間を通じて低レベルの発生が見られる地域や、複数の流行を見る地域もあります。流行株は地域によって若干の差はありますが、大きな差はありません。世界の流行状況は、WHOのホームページなどで知ることができます。
インフルエンザの流行は歴史的にも古くから記載されていますが、科学的に立証されているのは1900年頃からで、毎年の流行に加えて数回の世界的大流行が知られています。中でも、1918年に始まった「スペインインフルエンザ(原因ウイルス:A/H1N1亜型)」では、当時、インフルエンザによる死亡者数は全世界で2,000万人とも4,000万人ともいわれ、日本でも約40万人の犠牲者が出たと推定されています。その後、1957年には「アジアインフルエンザ(A/H2N2亜型)」が、1968年には「香港インフルエンザ(A/H3N2亜型)」が、そして平成21年度にインフルエンザ(H1N1)2009が世界的な大流行を起こしています。
インフルエンザに対する予防や治療などの基本的な対策は、季節性インフルエンザであっても新型インフルエンザであっても変わりません。
季節性インフルエンザには、A/H1N1亜型(インフルエンザ(H1N1)2009と同じ亜型)、A/H3N2亜型(いわゆる香港型)、B型の3つの型がありますが、A/H1N1亜型は、平成21年に流行した際には、基礎疾患のある方、妊婦の方、乳幼児やご高齢の方などが重症化しやすいことが指摘されました。また、A/H3N2亜型は、これまで、特に高齢者に大きな影響を及ぼしています。
全ての方にインフルエンザの予防のために手洗い、咳エチケットなど基本的な感染防止対策をお願いいたします。高齢者や、基礎疾患のある方は、特に注意をお願いします。
インフルエンザを予防する方法としては、以下があげられます。